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プレミアムフライデー

明日、2月24日(金)は「プレミアムフライデー」とやらで、午後3時に仕事仕舞になるそうです。それによって多くの人が買い物や旅行などをしてお金を使うから、結果的に経済効果があるだろう、というもくろみらしい。
しかし、どれだけの勤め人が午後3時に家へ帰れるでしょうか。

まず、買い物をしてもらわなければならないから百貨店・スーパーをはじめとする小売店は絶対に閉められないですよね。
次に、旅行もしてもらう必要があるから、航空会社・鉄道会社・バス会社・タクシー会社も営業していなければなりません。
さらに中小のメーカー等も、人手不足のうえに発注元からの納期が厳しいのでとても3時には終業できないことは明らかです。
大手メーカーだって本社はともかく、工場は24時間連続操業が必須のところ(製鉄の溶鉱炉や合成繊維の紡糸機等、いわゆる装置産業の現場)も多く、午後3時になったからといって、はいさよなら、とはならないでしょう。

このように見て来ると、早く帰れるのは国や地方公共団体のお役所と金融機関、商社、大手企業の本社くらいに限られます。
特にお役所はセールスもないし、納期を考慮することも不要なので、この制度で最も恩恵をこうむるのはお役人様方ですね。
自分たちが楽をしようとして考え出した案件だったのかも。

お役所といえば、最近のお役人さんが行うネーミングってカタカナ名になることが多いですね、「マイナンバー」とか「プレミアムフライデー」とか。前には「クールビズ」なんてのもありました。
変に気取って英語(らしきもの)を使ったりせず、従来どおりの役所風名称の方がずっといいように思えます。この「プレミアムフライデー」にしても「経済効果惹起用等月度最終金曜日執務時間短縮制度」というような名前にしたらよかったのではないか。

ところでこのプレミアムフライデーの「プレミアム」とは、いつもとちょっと違う「上質な」とか「素敵な」とかの意で命名されたらしいです。しかし英語の「プレミアム(premium)」にそんな意味はありますかね。
確かに日本では「高級な」という代わりに使われています。プレミアムなんちゃらとかいう商標の値段の高い(その割りにはまずい)ビールもあります。
ところが辞書(ライトハウス英和辞典第4版<研究社 2002>)を引いて見ると、
premium [名]
1.保険料
2.割増金、プレミアム
3.賞金、特別賞与、ボーナス、手数料、謝礼

とあって、別に「高級な」とか「上質な」とかの意味は書かれていません。この記事の筆者もそのように理解していました。
入場券が手に入りにくい催しなどでは開催当日、入口付近に「旦那、いい席ありまっせ」などといいながら定価の2倍で売りつけようとするダフ屋が出現したりしますが、こんな場合に「プレミアム(略してプレミア)が付いている」という風に表現するのです。辞書の2.の意味ですね。上記のビールの例も、こう理解すれば合っているような気がします。
「プレミアムフライデー」といっても、3.の意味の「ボーナスが出る金曜日」ではないのでお間違いなきように願います。
結局のところ、日本だけで通用する意味(まあ誤訳)なのでしょう。
冷奴を「cool guy」と英訳するようなものか。







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